De Nederlandsche Bank（DNB）は、Coinbase Europe Limitedに332.5万ユーロの行政罰金を科したと発表しました。
罰金は、Coinbaseが過去にオランダで暗号通貨サービスを登録せずに提供したことにより、DNBの登録に準拠しておらず、法に違反していたため科されました。
オランダで暗号通貨サービスを提供する企業は、オランダの「資金洗浄およびテロ資金供与防止法（Wwft）」に基づき、DNBに登録する必要があります。
CoinbaseのWwftに違反する行為は、3番目のカテゴリーの罰金を科せられる対象です。この罰金カテゴリーの基本金額は200万ユーロで、最低金額は0ユーロ、最高金額は400万ユーロです。DNBは一般的な罰金計算方針を適用して行政罰金の金額を設定しました。その金額は、違反の重症度と過失の程度により増額されました。
罰金の増額に際し、DNBはCoinbaseが世界で最大の暗号通貨サービスプロバイダーの1つであるという事実を考慮しました。さらに、Coinbaseはオランダに多くの顧客を抱え、同社の暗号通貨サービスを利用しています。さらに、DNBに監査料を支払ったり、DNBの定期的な監督活動に関連して他の費用を負担していなかったことでCoinbaseは競争上の優位性を享受していました。
罰金を増額するもう1つの重要な理由は、違反が長期間にわたって続いていたことです。具体的には、2020年11月15日から2022年8月24日（DNBの調査終了日）まで続いていました。このため、DNBは違反を非常に重大と考えています。
ただし、DNBはCoinbaseが常にDNBに登録を取得する意向を持っていたことから、罰金を5％減額しました。Coinbaseは2022年9月22日に登録を取得しました。
暗号通貨サービスプロバイダーの登録要件は、暗号通貨サービスに伴う資金洗浄およびテロ資金供与の高いリスクに対処するために、2020年5月21日に導入されました。これは、暗号取引に関連する匿名性に関係しています。登録要件により、DNBは不正な資金の流れのリスクを効果的に監視することができます。
Coinbaseは過去にDNBに登録せずにオランダで暗号サービスを提供することで、Wwftの目的に違反しました。これにより、Coinbaseは登録されていなかったことから、違反期間中および2022年9月22日までに異常な取引をオランダの金融情報ユニットに報告することができませんでした。その結果、多くの異常な取引が調査当局に見落とされた可能性があります。
Coinbaseは2023年3月2日までに罰金に異議を申し立てることができます。
